家を建てる賢いタイミング

前回は、先の暮らしをイメージしようというお話をしました。
今回は、建てる時期で変わってくる総額のお話です。

家は建てる時期によって、その総額が大きく変わります。
今はあまり貯金がないから、もうすこし自己資金が増えたら建てたい。
という方も少なくありません。
建てる時期を先延ばしにすれば、その分だけ自己資金を増やすことができます。
しかし、その間に金利が変わる可能性があります。

今すぐに建てる場合と3年後に建てる場合では、
どちらがどれくらい得をするのか、損をするのか、シミュレーションしてみましょう。

Aさん家族の場合
住宅購入を検討しているが、自己資金が少ないため、3年後にしようかと迷っている。
現在は
◆家賃が月7万円の賃貸住まい
◆総額3,000万円で検討
◆自己資金は100万円
住宅ローンは
◆35年間の固定金利で検討(現在の金利は2%とする)

さて、Aさん家族は、3年後にマイホームを購入することを目標に
年間いくら貯金できると思いますか?

総額3,000万円で検討
例えば、年間貯蓄額を50万円としましょう。
すると、3年間で150万円を貯めることができます。
現在の自己資金100万円+年間50万円×3年間=250万円

つまり、現在の自己資金100万円と合わせ250万円が自己資金となります。
次に、借入金額です。

今すぐ建てる場合
自己資金100万円を引いた2,900万円が借入金額です。

3年後に建てる場合
自己資金250万円を引いた2,750万円が借入金額です。

これを現在の金利2.0%で計算します。

今すぐ建てる場合
月々の返済額は、99,379円
総返済額は、41,739,180円となります。

では、3年後はどうなっているでしょう??
超低金利時代といわれる現在、
金利は底をついていると考えられます。
つまり、今後は金利が上昇する可能性が高いとみられます。

仮に1%だけ金利が上がっていると仮定します。
すると金利は、3.0%ということになります。

3年後に建てる場合
月々の返済額は、109,682円
総返済額は、47,566,440円となります。
この時点で、今すぐ建てた場合と、3年後に建てた場合とでは、
580万円以上の差が生まれるのです!!
でも、これだけではありません!!

今すぐ建てた場合は、打ち合わせから着工、引渡しまで、だいたい半年かかりますので、
半年分の家賃がかかります。
月々の家賃7万円×6ヶ月=420,000円
ローンの総額に家賃分を足すと
41,739,180円+420,000円の42,159,180円が家賃まで含めた総予算額になります。

3年後に建てた場合は、
家を建てるまでの3年間→36ヶ月
打ち合わせから引渡しまでの半年間→6ヶ月
つまり36ヶ月+6ヶ月=42ヶ月の家賃を支払い続ける必要があります。
月々の家賃7万円×42ヶ月=2,940,000円
この家賃分を総返済額に加えると・・・
最終的な予算額は、
50,506,440円となります。
今すぐ建てる場合と3年後に建てる場合
なんと!830万円もの差があるのです。

これが金利の怖いところです。
3年間、一生懸命働いて自己資金を貯めたとしても、
たった1%の金利上昇で、すべてが水の泡。
それどころか、逆に大幅に損をしてしまうこともあるのです。

結論!!
マイホームを考える際は、建てる時期が重要です。
ベストな時期に建てられるよう、家づくりを進めていきましょう。